文化社会学部 2020
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●研究分野:西洋美術史、中世、キリスト教美術●担当分野:ヨーロッパ芸術論、地中海地域研究●研究分野:哲学、フランス文化史、南フランス●担当分野: ヨーロッパ近代哲学、ヨーロッパの戦●研究分野: ネイティヴ・アメリカン史、アメリカ史、●担当分野:マイノリティと社会、西洋世界の形成●研究分野: アメリカ地域文化研究、異文化受容史、●担当分野:アメリカと日本、アメリカ文化の諸相NAKAGAWA, HisashiNAKASHIMA, TomokoKANAZAWA, MomoeISHII, Izumi18 哲学・思想を含めて、フランスの文化史を研究しています。現在は、とりわけ南フランスの歴史遺産(ロマネスク期の教会建築など)の網羅的な現地調査を続けていますが、それ以外にも19世紀以降に盛んになった南仏プロヴァンスにおける地方文化復興運動の研究に取り組んでいます。ゼミには、フランスだけではなくヨーロッパについてさまざまな関心をもつ学生が集まっています。 近代以降の日本とアメリカ・ヨーロッパの間における異文化受容について研究しています。これまでは、アメリカ合衆国における「日本美術」概念の変遷、あるいは「日本美術」の消費についてトランス・ナショナルな視点から研究を進めてきました。近年は、逆のベクトルから、日本が欧米文化を受容する過程において、どのようにローカル化しながら定着させていったのかを、主に贅沢品の消費という点から研究を進めています。Close Up争と文明消費文化研究 11世紀から12世紀のヨーロッパ、いわゆるロマネスク美術を研究しています。この時代の聖堂には、キリストや聖母マリア、聖人ばかりでなく、ドラゴンや一角獣、人魚やひとつ眼巨人など、キリスト教の教義とは結びつかない意匠が多く見られます。その意味を解読するため、ヨーロッパ各地のロマネスク聖堂を巡っています。近年は、真っ青な海に映える南イタリアの白い聖堂と、その床を飾るモザイクを主に調べています。 学部生時代からこれまで一貫してアメリカ先住民の一部族であるチェロキー・インディアンの歴史・文化研究に携わってきました。1492年のコロンブスによる「新大陸発見」よりもずっと以前から多様な文化や社会が存在する地である合衆国を舞台に、異なる文化が出会うとは、自らと異なる他者と出会うとは一体どういうことなのかを考えています。インディアン史をインディアンの側から語ることの大切さを心に留め研究をしています。合衆国の人種と民族ヨーロッパ・アメリカ学科は、ヨーロッパ世界・アメリカ世界の的確な理解を目指すための経験豊富な指導陣・第一線の研究者をそろえています。中川 久嗣 教授中島 朋子 教授金沢 百枝 教授石井 泉美 准教授ハプスブルクの遺産 飯尾 唯紀 准教授 ハンガリーの過去を研究するため、ときどきオーストリアの首都ウィーンに滞在します。かつてハプスブルク帝国の帝都だったウィーンには、ヨーロッパ東部についての史資料が豊富に残っているからです。 ハンガリーからウィーンを訪れると、帝国支配の重みを感じて圧倒されます。色調や様式が整った重厚な建築群や、時代を超えて保たれた教会建築はもちろん圧巻です。また、多国籍の人々が作る変わらぬ習慣、振る舞いや政治感覚まで、独特のスタイルがあるように感じられます。帝国という枠組みは消えてしまっても、有形無形の遺産は簡単には消え去らないようです。 最近調べているのは、約100年前のハプスブルク帝国解体による、遺産相続(財産や史料、施設など)問題です。帝国が解体したあと、後継諸国家は帝国から何を継承し、何を奪いあったのか、100年後の現在の視点から眺めてみたいと思っています。教員紹介フランスの文化史現代思想から教会建築まで日米欧の文化交流のダイナミクス美術をたのしみ建築を巡るネイティブ・アメリカンの「なぜ」をひもとく

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