文化社会学部 2020
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北欧諸国は社会的公正と弱者への配慮に重点を置いた社会福祉制度を目指してきました。これらの講義では社会福祉の理念や制度、北欧型福祉の抱える問題点や今後の展望などについて検討することで、日本の将来についても考察します。北欧には民族・言語・性・年齢・宗教など、さまざまな基準に基づく多様な文化的集団が存在します。それらの集団が共存するために、どのような政策や権利保障が行われているのかを検討しながら、北欧における多様な文化の共生のあり方について検討していきます。その美しさで知られる北欧の自然を、文化を生み出す要因や経済活動の基盤として捉えることも重要です。また北欧の先進性がよく知られた環境政策という観点から北欧社会にせまり、世界的課題である環境の問題について考えていきます。「北欧」をより深く理解するために、古代から現代までの歴史を概観し、北欧の歴史について基礎的な知識を習得します。授業では北欧各国の歴史を縦断的に見るのではなく、地域全体の横断的な歴史の流れを捉えることに重点をおいています。 私の地元である新潟は北欧と環境が似ています。そんな北欧がなぜ世界一幸福だといわれているのかということに興味をもち、東海大学北欧学科に入学しました。入学後はスウェーデン語を中心に学習し、北欧の良さを自分の目で確かめ、そして自分の肌で感じたいと思い「北欧現地研修」に参加しました。 現地では、学んだスウェーデン語でお店の人と会話をし、買い物もうまくできたことがとてもうれしかったです。日本映画『かもめ食堂』に登場するフィンランドの「カフェ・ウルスラ」で、一緒に学んできた仲間とバルト海に沈む夕焼けを眺めながらエビサ北欧では男女平等思想が根づき、女性の社会進出も進んでいるといわれます。女性問題は「個の尊重と自立」と「先進性」がもっとも明確に結びついた分野の一つといえるでしょう。北欧の女性の歩んできた歴史や、彼女たちを取り巻く状況を検討します。北欧のさまざまな政策の基本となっているのが北欧の人々の価値観であり、その価値観の形成・継承・変化を支えているのが教育です。北欧の教育政策を検討し、北欧における「学び」の持つ意味を探っていきます。新しいモデルを提供するものとして国際社会から注目を集める北欧の政治、福祉、男女平等、教育、環境、国際貢献などの分野からテーマを絞って深く考察します。現代社会が抱える課題に対する北欧の取り組みを分析し、今後の日本社会と私たち自身の将来について考えていきます。「北欧史概説」で得た基本的な知識を縦横に活用し、設定されたテーマをもとに、北欧各国における歴史の独自性を考察します。ンドを食べたことが何よりも幸せな時間でした。 北欧で2週間を過ごす「現地研修」では、学習してきた言語を使い現地の人と触れ合うことができるのはもちろん、北欧の美しい環境やすばらしい芸術を自分でも体感できます。学生時代の最高の思い出になる貴重な機会ですので、ぜひ参加してください。 「卒業研究」では海外研修中に集めた資料も用いて北欧のデザインについて論文を書きました。また就職先もデザインに関係する企業ですので、北欧学科で学んだことを今後どう生かせるか楽しみです。23※本学科の前身「文学部 北欧学科」北欧の福祉概説/北欧の福祉政策多文化社会としての北欧/北欧における多文化共生北欧の自然と環境/北欧の環境政策北欧史概説社会科目群北欧ジェンダー論入門/北欧の女性と社会北欧の思想とアイデンティティ/北欧の教育と学び現代北欧社会論歴史科目群デンマーク史スウェーデン史ノルウェー史フィンランド史北欧学科外立 さくらさん2017年度卒業※株式会社Francfranc卒業生紹介

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