文化社会学部 2020
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321は創作と合評の実践授業です。履修者は各自作品を制作して提出し、他者の作品を読み、相互に批評します。2は、より高度な創作力と批評眼を養います。近現代を代表するいくつかの作品を読み、エッセイが創作と批評の双方に栄養を供給しつづけていることを確認し、実作も試みます。卒業制作の準備のための科目。1ではこれまでの学習による蓄積を基に、小説・評論・詩歌・論考などの制作に向けて準備を始めます。そして、2では草稿を書き、3では推敲と仕上げに向かいます。教員は学生個人個人に対して、必要な助言や指導を行います。 草野なつかさんは気鋭の映画監督として活躍しています。長編映画デビュー作『螺旋銀河』は、まず海外で高い評価を受けました。2014年5月にドイツのフランクフルトで開かれた日本映画祭「ニッポン・コネクション」で「ニッポン・ビジョン審査員賞」を受賞。ついで、同年7月に埼玉県川口市で行われた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」では、84の国と地域から寄せられた500古今の名句を鑑賞し、自分たちで俳句を詠むことを通して俳句のもつ魅力の源を探り、近代化によって俳句がこうむった変容を考えます。学生が各自で詩の技法を研究し、自由なテーマで実作品もしくは詩論を発表し討議を行って、書くことの本質の把握を目指します。「コバルトブルーの憂鬱」「ミスターテディ」「クライスト」「漱石先生を読む」「ライトノベルの誕生と発展、そして未来」「ロボット文学における存在の不自然性~未来と過去のロボット~」「孤独の反証 萩尾望都論」「『時計じかけのオレンジ』から見る暴力とディストピア」「谷崎潤一郎と正岡子規」本をこえる作品の中から「監督賞」と「SKIPシティアワード」に輝きました。さらに、同年12月にはシンガポール国際映画祭に、また2015年3月にはフィンランドのヘルシンキで開催された映画祭CineAasiaに正式招待されています。国際的な評価を受けて、同年9月からリトルモアの配給で日本各地の映画館で商業上映されました。「孤児」たちが心を寄せていた「カミサマ」との再会がもたらす悲劇と微かな希望を描く小説進路選択に悩む夕子の崩壊の物語突如出現したテディベアは何をもたらすのか?「ミオからきいた大きなテディベアの話」ほか連作短編作家夏目漱石の人間性を浮かび上がらせる書簡・随筆を分析して、『こころ』の続編を創作ライトノベルというジャンルの発生の由来、現状における大衆小説とのクロスオーバー、さらには今後のメディアミックス展開について考察するドラえもんとコロ助が作中で不思議に思えない理由をめぐる考察少女マンガ家萩尾望都の作品から見る日本マンガ史の一断面を描くバージェス、トマス・モア、プラトン、オーウェル、村上春樹における暴力とユートピア/ディストピアを考察する異常なまでの食への執着を見せる谷崎潤一郎と正岡子規から、人間と食とのかかわりについて考え直す文芸作品をゆっくり丹念に熟読すると、思いもかけない発見や驚きを得ることがあります。読むことの醍醐味を体験します。童話を理解するために、絵と文章を構築していくことの難しさを実感し、絵本の制作にも取り組みます。※本学科の前身「文学部 文芸創作学科」の実績※本学科の前身「文学部 文芸創作学科」クリエイティブ・ライティング1・2エッセイを読む/書く卒業制作ワークショップ1〜3俳句ワークショップ詩をつくる/読むリーディング・ワークショップ童話の世界小説論考草野 なつかさん2007年度卒業※主な専攻科目自ら「文学の宇ユニヴァース宙」を構築する創作と研究−卒業制作卒業制作タイトル例※卒業生紹介

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