文学部(改)2020
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Close Up2度の世界大戦とヨーロッパ担当:西洋史専攻・川﨑亜紀子先生 西洋史専攻の特色ある授業として、現地での体験型授業の「ヨーロッパ・アメリカ実地研修」があります。この科目は文化社会学部ヨーロッパ・アメリカ学科と共同で開講し、毎年異なるコースが用意されています。履修者は、半年間授業を受けて研修地の歴史や文化について学び、その後、ヨーロッパまたはアメリカで約2週間研修を行うことになります。 ヨーロッパを特徴づける古代遺跡、キリスト教の教会や修道院、城郭や絢爛豪華な宮殿、優れた考古遺物や美術作品を収蔵する博物館や美術館のほか、一般の観光ツアーや個人旅行では味わえない特別な史跡や研究所なども訪問します。2015年度は「イタリア・オーストリア歴史紀行-アルプスの峠を越えて-」をテーマにアルプスの大自然を満喫し、山脈の北のゲルマン世界と南のラテン世界の文化交流の歴史を体験しました。2017年度は「ユダヤ人の迫害の歴史を追って-ドイツ・ポーランド歴史紀行-」をテーマにアウシュビッツ強制収容所などを訪ね、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を実感しました。こうした西洋史の舞台にじかに触れることが、この授業の魅力であり、これまで気づかなかった日本、そして新たな自分を発見することになるでしょう。予定されている実地研修コース(2019年度)272017年度実地研修ポーランド・クラクフのヴァヴェル城にて2015年度実地研修西洋史専攻では現地で西洋の歴史や文化に触れる体験型の授業があることが特色です。「ヨーロッパ・アメリカ実地研修」は、観光旅行では訪れることのない場所も訪問し、引率の教員から専門的な説明を受けることができます。歴史学科 西洋史専攻れぞれの収容所で行われていたことを説明していただきながら収容所を見学しました。事前学習では収容所のことを学んではいたものの、収容所で実際に行われていた拷問や強制労働の跡が残る場所を目の当たりにしたことで、そこで行われていたことの壮絶さを改めて思い知らされました。 また、研修の合間にはミュンヘンやローテンブルク、ポーランドのワルシャワ・クラクフなどの観光地を巡り博物館やお城の見学をするなどして、自分の目で歴史的建造物や作品に触れることができました。 実地研修では一日一日が充実していて、一生忘れられない経験になりました。貴重な経験がたくさんできると思うので、ぜひ参加してみてください。袴田 羽那さん 3年次中央大学附属横浜高等学校(神奈川県)出身ヨーロッパ・アメリカ実地研修西洋の歴史や文化にじかに触れる体験学習ドイツ・ポーランド体験記 私は2017年の夏に、12日間の「ヨーロッパ・アメリカ実地研修」に参加しました。2017年の実地研修は「ユダヤ人の迫害の歴史を追って−ドイツ・ポーランド歴史紀行−」をテーマに、ドイツ・ポーランドにある強制収容所やユダヤ人に関係する建物、博物館などを訪れるというものでした。当時1年次だった私は以前からドイツに興味があったので参加を決めました。 研修に行くにあたって行われた事前学習ではユダヤ人の歴史を、講義を通して学び知識を深めた後、実際に現地へ行きました。 ドイツ・ポーランドではダッハウ、マイダネク、ビルケナウ、アウシュヴィッツの計4つの収容所を巡りました。そこでは現地のガイドの方からそ

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