文学部(改)2020
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●専門分野:フランス近代史●研究テーマ:近代フランスにおけるユダヤ人の近代史●著書:「19世紀アルザス・ユダヤ人の再生」(論文)「アルザス地方における1848年の反ユダヤ暴動」(論文)●専門分野:ドイツ近現代史●研究テーマ:第一次世界大戦から戦間期の研究●著書:『ドイツ社会民主党と地方の論理』(東海大学出版会)、『近代ヨーロッパを読み解く』(共著、ミネルヴァ書房)●専門分野:西欧中世史●研究テーマ:ドイツ中世政治史●著書:『ドイツ史の始まり̶中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』(創文社、2018年度日本学士院賞受賞)、『紀元千年の皇帝・オットー三世とその時代』(刀水書房)●専門分野:イギリス近世史●研究テーマ:近世イギリス都市社会史●著書:「イングランドにおけるグラマ・スクール設立の動向1501-1660」(論文)「ロンドン大火以前における市民の火災対応」(論文)●専門分野:古代ローマ史●研究テーマ:古代ローマ時代のキリスト教徒●著書:R.L.ウィルケン著『キリスト教一千年史』(共訳、白水社)28A.Kawasaki博士(経済学)I.Nabetani博士(歴史学)A.Misagawa博士(文学)M.SugaharaPh.D.(History)S.Otani博士(文学)川﨑 亜紀子 准教授主任代行鍋谷 郁太郎 教授三佐川 亮宏 教授菅原 未宇 准教授大谷 哲 講師 革命期以降のフランスにおける同化政策の歴史的実態を解明するために、フランス市民としての同化が強く要求されていたユダヤ人、特にドイツとの間で何度も領土が変更されたアルザス地方に居住していたユダヤ人に焦点を当て、彼らの同化過程の社会経済史的側面について研究を行っています。フランスという「近代国民国家」の形成過程で異質な存在であったユダヤ人が、どのように「フランス市民」として統合されるようになったのか、その経緯や問題点などについて考察を進めています。 19世紀から第一次世界大戦にかけてのドイツを研究しており、現在、二つのテーマを同時並行で進めています。一つはナショナリズムの問題であり、近代国民国家としてのドイツにおける国民統合のプロセスを教育、軍隊制度、宗教政策、官僚政策といった次元から解明しています。もう一つのテーマは社会主義運動・労働運動史であり、19世紀に確立された国民経済システムの弊害、特に資本家による労働者の搾取の問題を解決し、新しい社会のビジョンを打ち出そうとした社会主義運動の歴史を、ドイツの社会民主党と労働者を中心に分析しています。 9世紀以降のフランク王国の崩壊過程において、ドイツ王国やドイツ民族が形成・発展していく史的プロセスとその特徴を研究しています。ドイツ国家・民族の形成は直線的に進行したのではなく、普遍的なローマ皇帝の理念とローカルな部族的伝統の間に挟まれながらの紆余曲折した道のりでした。この複雑な過程を解明するために、政治史の分析と並んで、東フランク王国を構成したフランク・ザクセン・バイエルンなどの諸部族が「ドイツ人」という超部族的概念のもとに総称される概念史の側面について研究を進めています。 都市化が進展し、西欧世界第一位の都市となった17世紀のロンドン社会に興味をもち、研究をしています。未曽有の人口増加はプラスの影響、たとえば演劇興行に代表されるようなビジネスチャンスの拡大をもたらす一方、森林資源の枯渇や環境汚染などさまざまな問題を引き起こしました。そうした危機的状況に直面した当時の人々がどのような対応を模索したのか、とりわけ移入者や貧者に対する包摂あるいは排除のありよう、災害に対する事前・事後対応という二つの論点について、都市自治体やギルド、教区の記録を分析しながら研究を進めています。 ローマ帝国時代の宗教、特にキリスト教を、「殉教」をキーワードに研究しています。ローマ帝国では、多くのキリスト教徒が迫害されてきたとかつては信じられていました。しかし古代の史料を丹念に読み解くと、迫害の規模は意外に小さく、むしろキリスト教徒たちが残した歴史書のなかで、迫害の物語が増幅されたことが分かります。こうした検証を通じて、ローマ帝国に生きた人々の宗教生活の実態を再構成すること、そして現在まで残る古代の歴史が形成されたプロセスを解明することが課題です。イギリス・ドイツ・フランスを中心とする西欧と地中海世界について、各国・地域ごとに複数の教員が担当しています。豊富な学識経験や指導力を備えた専任教員、幅広い専門領域をカバーする非常勤講師陣がきめ細かく指導します。教員紹介フランス近代とユダヤ人の歴史を探る現代ドイツのナショナリズム、社会主義運動を研究中世ドイツの形成と発展の史的プロセスを探る近世イギリスにおける都市問題と危機対応のあり方を研究ローマ帝国宗教史の実態と歴史叙述の関係を解き明かす

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