文学部(改)2020
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●専門分野:上代文学(散文)●研究テーマ:古事記系譜論・成立論、近世日本書紀研究史、メディア文藝●専門分野:芥川龍之介研究、近世俳諧・近代俳句研究●研究テーマ:芥川龍之介の研究、芭蕉の俳諧や近代俳句雑誌の研究●専門分野:中古・中世の物語文学●研究テーマ:中世王朝物語と中古王朝物語との関係●専門分野:王朝物語文学●研究テーマ:平安後期物語、堤中納言物語、狭衣物語●専門分野:日本語学●研究テーマ:近世期以降の方言日本語史42Y.Shimizu博士(文学)I.Ito文学士Y.Suzuki博士(文学)T.Shimotori修士(文学)S.Yuasa博士(文学)志水 義夫 教授 [上代文学担当]伊藤 一郎 教授 [近世・近代文学担当]鈴木 泰恵 教授 [中世文学担当]下鳥 朝代 准教授 [中古文学担当]湯浅 彩央 准教授 [日本語学担当] 想像の翼を広げ、空想の高みを翔け巡る快楽、それが文学。神々が笑い、踊り、ふん、別れの悲しみ、作英雄たちが戦う。好きな人といる歓び、世の中への憤品には、あらゆる感情が、世界の姿が描かれています。文学作品を読む楽しさ、面白さ。それはことばとことばが響き合い紡ぎ出す世界。ことばの世界に遊んで、文藝作品の読者に与えるからくりを探ることが、楽しみです。 私は小説や俳句の研究をしてきましたが、最近、文学って何だろうかと思うことが多くなりました。文学と文学ではないものの境目が、不思議です。教科書に載っている作品を目の前にすると、これが文学ですと簡単に言えそうです。が、どうして文学と言えるのかと考えると分からなくなります。それで、文学と呼ばれている現象を巡るすべてのことに、逆に興味が湧いてきました。文学研究の王道は作品の「解釈」でしょう。しかし、印刷製本・流通・広告や読者の購買活動、一作品・一作家を超えた作品たち作り手たちのつながり、日本文学科は、皆さんがそういうことも考えることのできる場所であると思います。 専門は中古・中世の物語文学です。特に、平安から鎌倉・室町にいたるまで作り続けられた王朝物語文学を中心に、〈物語〉とは何かについて考えています。物語文学・小説・マンガ・アニメ・映画・ドラマ・歌詞等々。今の時代にも、さまざまなジャンルの中で、〈物語〉は生き続けています。では、人はなぜどの時代においても、〈物語〉を必要とするのでしょうか。一緒に物語文学を読みながら、その秘密に迫り、〈物語〉の正体を突きとめてみませんか。そして、人間について考えることを本義とする、文学の意義やおもしろさに迫ってみませんか。 私は日本語の方言、特に歴史的な研究をしています。「方言」と聞くと、地方の珍しい言葉という印象がありますが、研究としては体系的な点、たとえば発音・文法・表現などの特徴全体をさします。さて、その方言にも歴史があり、それは各時代の中央語が方言に影響を与え、方言側ではまた独自の変化をする、その繰り返しの結果です。したがって、研究としては中央語の歴史をにらみながら、各地の方言の変化を考えます。今は『方言文法全国地図』という地図(Webサイトで見られます)を用い、近世期の方言を上のような視点で読み解いています。まん懣上代から中古・中世・近世・近現代にいたるまで各時代の日本文学、日本語学を研究する専任教員と多方面で活躍する非常勤講師陣が手厚く指導します。一緒にことばの奥深さを探究しませんか?教員紹介『古事記』から『君の名は。』まで、文学の快楽を追究する。文学って何だろうか。今の時代にも生きる〈物語〉って何? その正体を一緒に突きとめましょう。平安時代の物語文学ってほんとうにそんなにスゴイのでしょうか? 一緒に読んで考えましょう。 物語文学の最高峰ともいえる『源氏物語』を持ってしまった時代の人々はどのようにして物語を紡いでいったのか、という疑問から、平安後期物語と呼ばれる物語を中心に研究を進めています。「虫めづる姫君」などが入っている『堤中納言物語』という短編物語集を直接の課題としています。授業では『竹取物語』や『源氏物語』などを取り上げ、千年も前の貴族社会で生まれた文学作品が私たちとまったく違っていて、でも共感できるものでもあることをさまざまな形で読み解いてもらうことを目指しています。日本語の歴史や成り立ちを考えるために、方言からアプローチしよう。

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