マナビゲーション2022
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最先端の技術を身につけ、世界規模の課題を解決したい。ナノ・バイオテクノロジーに興味がある。ナノテクノロジーとは、ナノ(10億分の1)メートルスケールで物質を自由に制御する技術のこと。分子やDNAの大きさがナノスケールで、従来の部品をどんどん小さくして、ナノメートルのスケールまで持っていく技術(トップダウン法)と、ナノスケールの分子や原子の配列を意図的に作り出すことで、新しい性質を持った物質を生み出す技術(ボトムアップ法)の2つがある。 たとえば炭素原子を円筒状に結合させたカーボンナノチューブは、ボトムアップ法で作られた新しい物質の代表。鋼鉄の20倍の強度を持ちながら、アルミニウムの半分の軽さだ。しかも直径や配列を変えることなどにより電気特性も変化するため、半導体の素材としても注目を集めている。 こうしたナノテクノロジーの可能性に政府も注目。内閣府が定める第3期科学技術基本計画において、「ライフサイエンス」「情報通信」「環境」と並び「ナノテクノロジー・材料」が重点推進4分野に挙げられ、国家レベルで研究開発資金が投入された。 一方バイオテクノロジーとは、本来生物が持つさまざまな機能や能力を利用する技術の総称。たとえば微生物を利用した発酵食品や、植物のクローン技術である挿し木は、バイオテクノロジーの産物だ。最近では、遺伝子操作を主とする遺伝子工学に注目が集まっており、バイオテクノロジーとほぼ同義語で使われている。 バイオテクノロジーも、政府が期待を寄せている研究分野の1つ。環境問題、食糧問題、健康問題、エネルギー問題等を一気に解決する可能性があるとして、2002年に「バイオテクノロジー戦略大綱」を立て、ベンチャー企業の支援や、人材の育成に取り組んでいる。一方で、遺伝子組み換え食品の安全性や、クローン技術への社会倫理上の問題など、未解決の課題も山積みだ。ナノテクノロジー、バイオテクノロジーともに現在、世界中の研究者が新技術を競い合っているフィールド。IT、エネルギー、化学、食品、自動車、薬品などあらゆる製造業および研究職、さらには環境対策に力を入れている自治体など、選択肢は大きく広がっている。ナノテクノロジーは多くの学問系統で学べるが、基礎研究なら理工系学部の物理学科や化学科が最適だろう。一方のバイオ分野は、理工系・農学系・薬学系の学部でバイオ関連の学科を設置している大学が選択肢となる。「バイオ」「バイオテクノロジー」「生命科学」「応用化学」「環境化学」などをキーワードに探してみよう。理学部 化学科最先端の化学を学び、社会に貢献。 有機太陽電池+量子化学・計算機などを学ぶ「物質・情報プログラム」、有機機能材料+有機合成・機器分析などを学ぶ「合成化学プログラム」、生体ナノ計測+生化学・遺伝子などを学ぶ「生命化学プログラム」の3プログラムを用意。科学的思考力と教養を身につけた、社会で求められる新エネルギーや先端材料、ナノテクノロジー分野の研究者の育成をめざします。薬学部 薬科学科人の体と化学物質の関係を学びます。 医薬品だけでなく、機能性食品、化粧品、家庭用化学製品など、化学物質と人の体の関係について考え、食べる人・使う人・服用する人の視点に立って、商品をプロデュースできる人材を育成します。薬学科、医療栄養学科とも密接に連携したカリキュラムで、高い専門知識を修得するとともに、広く情報発信していくためコミュニケーション能力の向上にも力を入れています。どんな世界?将来は?城西大学で学ぶなら ▶▶▶どこで学ぶ?城西大学で学ぶなら ▶▶▶ものづくりの基本は科学技術にある。ナノテクノロジーにより今まで不可能と思われていた商品が開発されたり、バイオテクノロジーの発達がエネルギーや環境など、世界的な課題の解決可能性を開いたり。世界中の研究者が、新技術の開発を競い合うフィールドに今、熱い目が注がれている。2613

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