マナビゲーション2022
33/48

薬学の知識と 技術を身につけた医療人として活躍したい。薬剤師になりたい。薬剤師とは、薬の専門家として医者の処方箋に基づき医薬品を調剤(薬剤を調合すること)したり、患者に薬の飲み方や、安全上必要な情報を提供する者のこと。薬剤師として仕事をするためには、薬剤師国家資格が必要だ。 厚生労働省の調査によると、2018年12月31日現在の届出薬剤師数は311,289人。男女比は約4:6とやや女性の方が多い。働く場としては「薬局」が58.0%と過半数を占め、以下「医療施設」19.3%、「医薬品関係企業」13.3%となっている。 薬剤師の資格取得には6年課程で学ぶ必要があるが、資格があれば転職もしやすく、女性の出産・休職後も復帰しやすいことなどから、根強い人気がある。薬局薬剤師は、医薬品の販売と、院外処方箋に基づく調剤が主な業務だが、健康や薬に関する相談に応じたり、服薬の注意点などを知らせることも大切な仕事。また地域医療の担い手として、寝たきりのお年寄りなど在宅患者の家を訪問、服薬指導を行う在宅医療業務にも携わっている。ドラッグストアに勤め、「病院に行くほどではないけど…」という患者の相談に応じる薬剤師も貴重な存在だ。 病院薬剤師は、医師と密接に連携して患者に対応する「臨床薬剤師」と、処方箋に基づき医薬品を調剤して販売する「薬局薬剤師」の2つの役割がある。「臨床薬剤師」は、入院患者や外来患者の調剤業務だけではなく、病院における薬の責任者として医薬品の管理や解析、医師・看護師への医薬品に関する情報提供などを行う。チーム医療の一員として入院患者の病床に赴き、服薬指導や注射薬の管理などを行う「病棟担当薬剤師」としての役割もある。 医療の現場以外に、薬学、化学、生命科学の専門家として、製薬企業、化学メーカーなど一般企業に就職するケースも多い。薬剤師になるにはまず、薬科大学や薬学部を持つ大学で6年間の薬剤師養成課程を修了し、国家試験に合格しなければならない。カリキュラムは日本薬学会が作成したモデル・コアカリキュラムをもとに作られるが、医療の高度化にともない、2015年4月より新コアカリキュラムがスタートした。 試験は例年3月頃に行われる。「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物・治療」「法規・制度・倫理」「実務」の7領域から、合計345問が出題される。合格率は60〜80%。合格者は厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられる。薬学部薬学科 3年坂下 優香 薬剤師といっても勤務先で仕事内容は多種多様。私は薬局やドラッグストアの薬剤師をめざしています。カフェでのアルバイトは、お客様を観察して臨機応変に対応できるようになり、コミュニケーションの苦手意識を克服できました。また、もともと小さい頃から植物が好きで、図鑑では食用や毒性、薬効の項目に興味を持っていたので、生薬や漢方についても学び、将来に活かしたいです。どんな世界?どんな仕事?なるには?城西大学の先輩インタビュー ▶▶▶病院の薬局や調剤薬局で、白衣を着た薬剤師から薬をもらった経験は誰にでもあるだろう。薬剤師には単に薬を出すだけではなく、医師に代わって薬の正しい使用法や服用の仕方を患者に伝える役割もある。薬局、病院、製薬会社、ドラッグストアなど活躍の場は幅広い。31アルバイトの接客経験も糧にして、調剤薬局の薬剤師になりたい!18

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る