マナビゲーション2022
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食と健康のプロになりたい。管理栄養士になりたい。薬学部日本人に多い糖尿病やがん、脳卒中などに代表される生活習慣病の多くは、偏った食生活が原因のひとつ。厚生労働省でも、食生活改善普及運動に本腰を入れており、食の見直しは今や国をあげて取り組む課題となっている。一方で若い女性を中心に「やせ願望」は広がるばかりだが、日本女性のBMI値(身長からみた体重の割合を示す体格指数)は先進国で最も低い。過剰なダイエットは栄養不良を招くばかりでなく、さまざまな障害を引き起こす。メタボリックシンドロームに悩む中年からガリガリの若者まで、正しい栄養知識が求められているのだ。 そこで注目を浴びているのが、栄養士・管理栄養士だ。なかでも管理栄養士は、活躍の場所と指導内容が詳しく定義されており、より専門性が高い。そのため食に関する地域講座の講師を務めたり、施設のメニューづくりの方針を決定したりとリーダー的役割を担うことが多い。まさに“食と栄養のプロフェッショナル”と呼ぶにふさわしい資格だ。身近なところでは、学校給食の管理、指導を行う小中学校、特別食が必要な患者がいる病院などが代表的。特にチーム医療を行う病院では、治療プランに栄養ケアが重視されるところも多く、医療スタッフとして管理栄養士は不可欠な存在になっている。ほかにも高齢者や障害者、児童福祉施設から、社員食堂や給食を受託する民間企業まで、活躍の場は幅広い。 さらに栄養指導にとどまらず、住民の健康増進のため都道府県の保健所や保健センターなどで働く道や、食品会社の研究機関で栄養学的見地から研究活動や商品開発に従事することも可能だ。フードコーディネーターや料理研究家をめざす場合も、管理栄養士の資格を持っていると有利なのは言うまでもない。管理栄養士になるには、国家試験に合格しなければならない。そのためには管理栄養士を養成する学部・学科・コースで学ぶのが近道だ。国家試験の合格率は4〜6割だが、大学新卒者に限ると92.4%(2020年度3月実施)に跳ね上がる。その点でも養成科で学ぶのが有利だろう。 特に大学のカリキュラムには、栄養士に必要な栄養学の基本的知識はもちろん、福祉・保健分野も網羅されている。加えて保健所や病院、学校などの給食業務を体験する現場実習も多く含まれており、人・食・社会・運動・医療・福祉などの幅広い知識や、マネジメント能力を身につけることができる。医療栄養学科 4年笹沼 穂香 糖尿病などの生活習慣病を未然に防げる管理栄養士になりたい──。そんな夢があった私は、医療栄養学科が薬学部のなかにある城西大学への入学を決めました。例えば「食品材料学」と同時に「薬物療法学」を受講することで、食事療法と薬物療法の密接な関わりを知る。その学びはきっと、病院で働く際に役立つはずです。今後は、生活習慣病の改善や予防に効果的な食べ物について学びを深めたいです。どんな世界?どこで活躍?なるには?城西大学の先輩インタビュー ▶▶▶人々の健康管理、病気の食事療法、教育現場や施設での給食献立作成や食育指導など、多彩な役割を持つのが管理栄養士だ。病院などでチーム医療の一員として活躍することもあり、その職域は広がるばかり。栄養士の上級資格だが、直接管理栄養士になる道も用意されている。33食事療法と薬物療法を学び、生活習慣病の改善をサポートしたい!20

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