マナビゲーション2022
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確かな知識と強い使命感で    次代の子どもたちを      育てる教師になりたい。先生になりたい。教員の魅力とは何だろうか。第一は、授業はもちろんのこと、学校生活のさまざまな場面で児童・生徒との密接なふれあいを通して、その健全な成長を見守っていけることだ。そこから学ぶことも多く、教師としてだけでなく、人間として大きく成長できることも教員の魅力であり、やりがいといえる。 学校教育にはいくつかの段階がある。家族以外の他者と初めて団体行動を共にし、社会生活に向けた準備をする幼稚園。集団のなかで、協調性や、将来に向けて基礎的な学力・体力を養う小学校。思春期の悩みや不安を抱えながらも、未来へ思いをはせる中学校。思い描いた自分の可能性と将来像に向かって一歩踏み出す高等学校。それぞれの場で教師が及ぼす影響は大きく、それだけ重い役割や責任を負っている。 現在、教育現場には学力低下や不登校、いじめや学級崩壊など多くの問題がある。また、道徳の教科化や、校長の権限の強化など、今後、教育をめぐる環境は大きく変わる可能性がある。このような状況だからこそ、未来を担う子どもたちを育てるという強い意志と使命感に燃え、知識と力量を兼ね備えた教師が求められているのだ。文部科学省によると、令和元年度教員採用試験の採用者総数は3万4,952人で、前年度に比べて1,966人(3.2%)増加した。 教員免許をめぐる状況は現在、きわめて流動的だ。2009年から「教員免許更新制」が導入されたが、「教員養成課程6年制」など、教員免許に関わる法律や制度が変わる可能性もある。教員志望者は、新しい動きを見逃さないようにしたい。教員になるためには、大学で教育職員免許法が定める教職課程の科目を履修し、教育職員免許状を取得する必要がある。それだけではなく、公立学校なら、各都道府県別の教員採用試験に、私立学校の場合は学校ごとの採用試験に合格しなければならない。 幼稚園・小学校と特別支援学校の教員免許を取得するには、教員養成系の大学・学部・学科で学ぶ必要があり、それ以外の学部で取得可能なのは、中学校・高等学校の教科免許(一種)。その場合、専門科目などの履修のほか、教職課程の科目も履修する必要がある。教職課程は卒業単位に認定されないため、必然的に授業数も勉学に必要な時間も多くなる。毎日が非常に忙しくなることは覚悟しておきたい。理学部化学科 3年金森 圭介 入学前から理科教諭志望。専門性高めた化学は、深くて充実した授業を展開できます。また大学では、基礎的な概念を理解することで多様かつ柔軟に物事が捉えられることを学び、その大切さに気付かされました。答えまでの過程が複数あると理解したとき、学びの視野は広がります。そして剣道部の日々の修練は、礼儀や精神力、人間形成に大きく寄与します。それらを教育現場で活かしたいです。どんな世界?現状は?なるには?城西大学の先輩インタビュー ▶▶▶教育をめぐる環境が大きく変わろうとしている今、次代を担う子どもたちを育てる教師の役割と責任は高まる一方だ。教員免許を取得できるのは教員養成系だけではないが、どの学部・学科でも教職課程のカリキュラムはハードで、強い気持ちを持って臨む覚悟が必要だ。36専門性を高めた化学と剣道で培った人間性を教育現場で活かしたい!23

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