2021 福山大学要覧
121/124

 有意義な大学生活を応援します! 福山大学は1975年の開学以来、時代と社会の要請に応じた教育・研究を行うべく、揺るぎなく前進を続け、現在では5学部14学科を擁する総合大学へと発展しました。これまでに3万6千人を超える同窓生を輩出し、広く社会でご活躍いただいております。 これから大学に進学し、卒業後に社会に出ていく皆さんは、少子超高齢化、グローバル化、産業構造の変化などに起因する目まぐるしい社会環境の変化に適応しなければなりません。在学中にこれからの社会を生き抜くための力を身につけるには、本学の建学の精神にも謳われているように、調和的な人格を形成することが肝要です。すなわち専門知識を体系的に学ぶことに加え、日頃から読書による追体験や国内外の多様な価値観を持つ人々との交流などを通じて、広い教養と豊かで柔軟な心を育むことが大切です。福山大学では学長のリーダーシップのもと、学生に有益な学びの機会を提供できるよう、教職員が一丸となって教育·学生サービスに当たっています。 また、修学環境の整備にも積極的に取り組んでいます。特に2020年12月には「未来創造館」が竣工しました。1・2・3階と最上階の11階は全学共用施設、その他のフロアは薬学部棟として利用される学び舎では、これまで積み重ねてきた教育の「伝統」とそれを礎として創造される「未来」が「CROSS(交差)」し、新しい学びが広く深く展開していきます。CROSSという言葉は、C:Create 未来を創造する、R:Relax 居心地の良い空間を提供する、O:Open 誰にも開放する、S:Share 知恵、学びを共有する、S:Spread 価値を広く伝える、というワードから成り立っており、そのような知の拠点を作りたいという強い意志が込められています。学生諸君には、未来創造館を活用した多種多様な学修を通じて、卒業後に社会で活躍しうる有為な人材へと成長していただけるものと期待しています。 ところで、福山大学は地方に立脚する大学として、地元産業界や地方自治体等と連携しながら地方創生への貢献につながる研究も推進しています。近年では、地域活性化を視野に入れた全学的研究プロジェクト「瀬戸内の里山・里海学」を立ち上げ、シロギス養殖やワイン醸造などの地元資源を活用した研究も進んでいます。 学生がこれらの研究活動にアクティブに参加し、地域とともに生きることを肌で感じながら学びを深めていくこともめざしています。 希望を胸に入学してきた皆さんが、在学中に教職員·学友との絆を深めながらそれぞれの夢や目標を実現させ、卒業後にも気軽に足を運べるような活気のあるキャンパス創りに、これからも取り組んでまいります。満開の桜で彩られたキャンパスでお会いしましょう。地域とともにある「未来創造人」を育てる! かつてナチズムに抵抗したフランスの詩人ルイ・アラゴンの言葉「教えるとは、未来をともに語ること」「学ぶとは誠実を胸に刻むこと」を愛した宮地茂初代学長・理事長、「どの子も育つ、教え方ひとつで」が口癖であった清水厚實名誉理事長に見られるように、福山大学には教育重視、学生重視の学風が脈々と受け継がれています。 最良の教育は「自己教育」、つまり自学自習でしょう。ただ、放っておいては、人はなかなか学ぼうとしません。主体的・対話的で深い学びを引き出す必要があります。高校から大学への学びの架け橋となる1年次の教育、社会人の基本スキルである語学や情報処理能力、豊かな人間性や教養を育む教育の実践に本学は力を注ぎます。さらに、各学部・学科では種々の資格取得をめざす教育も含めて、特色ある専門教育プログラムを準備し、絶えず質的向上を図り、生涯にわたり能動的に学び続ける基礎固めに向けて多くの工夫をしています。文部科学省の助成も受けた福大ブランドの「瀬戸内の里山・里海学」に係る諸研究に、教員のみならず学生諸君が積極的に参加しているのも、その一つです。 本学では、教員が「何を教えたか」ではなく、学生が「何ができるようになったか」を重んじ、具体的な目標を明確にして、卒業までに確かな「学士力」を養う道筋を示しています。また、「学士力」を形作る知識・技能・態度は、強い絆で結ばれた人間関係の中でこそ身につくという考えに立って、①大学生としての自立、②仲間同士の対話・自己発見、③地域社会への参加、④社会での自己実現、の4つのステップに見合う目標・内容を順序よく配置しています。各目標がどれほど達成できたかは、授業評価や卒業生アンケート等を通じて確認しますが、毎年の調査結果からは、成果が着実に上がっているのが分かります。さらに、活発なサークル活動も見逃せません。こうした積み重ねが毎年ほぼ100%の就職率につながっています。 46年前、三蔵の丘に生まれた本学は、建学の精神をふまえ、「地域を想い、地域に愛され、地域から国際社会につながる“未来創造人”の育成」をめざします。シンボル的新校舎「未来創造館」も完成し、「揺るぎなく前進」していきます。緑あふれる松永キャンパスのほか、附属水族館も備えた因島キャンパス、JR福山駅前のサテライトも擁する福山大学は、きっと若人が青春のかけがえのない思い出を作るのに最適な場となるに違いありません。三蔵五訓建学の精神教育理念・教育目的福山大学 創設者宮地 茂(1914.5-2005.5)  学校法人福山大学 名誉理事長清水 厚實(1931.3-2019.4)  広島県因島市(現尾道市)出身。文部省官房長、大学学術局長等を歴任。福山大学を創設し、初代学長・理事長に就任。続いて、福山平成大学設置に伴い学校法人福山大学総長そして名誉総長。福山市・因島市名誉市民。長野県出身。昭和28年3月信州大学教育学部卒業。昭和58年8月社団法人日本図書教材協会専務理事。平成15年4月学校法人福山大学副理事長。平成22年8月一般社団法人全国図書教材協議会名誉会長。平成23年6月学校法人福山大学理事長。平成24年6月全日本川柳協会顧問。平成28年4月日本教材学会会長。平成30年5月学校法人福山大学総長。広島県出身。平成21年4月 学校法人福山大学事務局長平成23年5月 学校法人福山大学常務理事・事務局長平成28年5月 学校法人福山大学副理事長・常務理事平成30年5月 学校法人福山大学理事長平成30年8月 日本私立大学協会評識員令和 2年4月 日本私立大学協会中国・四国支部監事令和 2年6月 日本私立大学協会理事学校法人 福山大学 理事長鈴木 省三  福山大学は、地域社会に広く開かれた大学として、学問にのみ偏重するのではなく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な人格陶冶を目指す全人教育を行う。この建学の精神は、次の三蔵五訓としての教育の理念と一体である。真理を探究し、道理を実践する。豊かな品性を養い、不屈の魂を育てる。生命を尊重し、自然を畏敬する。個性を伸展し、紐帯性を培う。未来を志向し、可能性に挑む。鳥取県鳥取市出身。広島大学教育学部教育学科卒業、米国ジョージ・ピーボディ教育大学大学院及び広島大学大学院教育学研究科修士課程修了、同博士課程後期中退。博士(教育学)。比較教育学専攻。国立教育政策研究所、名古屋大学、広島大学等での勤務を経て、平成26年4月より福山大学教授、令和3年4月より現職。福山大学 学長大塚 豊福山大学は、信頼と愛に基づく人間関係を育む〈心情と愛の教育〉、人の生命を尊重し自然を畏敬する〈人間と自然を尊ぶ教育〉、理論と実践とをつなげる〈知行合一の教育〉により、豊かな人間性を基盤に調和のとれた人格陶冶を目指す「全人教育」を教育理念とする。1 真理の探究と道理の実践普遍的な真実を探究し、道義を実践する人を育成する。2 豊かな品性と強い意志の涵養豊かな教養に基づいた品性を有し、強い意志を持って行動する人を育成する。3 生命と自然の尊重生命を尊重し、自然を敬う人を育成する。4 個性の発揮と信頼に基づく人間関係の構築互いの個性を伸ばしあい、敬愛の念と信頼に基づいた人間関係を構築できる人を育成する。5 可能性への挑戦未来を志向し、新たな可能性へ挑戦しつづける人を育成する。6 地域社会の発展への貢献社会の幅広い分野で活躍し、豊かな地域づくりに貢献できる人を育成する。119ご挨拶

元のページ  ../index.html#121

このブックを見る