2021 福山大学要覧
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「地域に開かれた大学として人間性を尊重し、調和的な人格陶冶をめざす全人教育」を建学の精神として1975年に開学し、以来きめ細かい少人数教育を実践・洗練させてきました。そして、現在は「地域の中核となる幅広い職業人の育成」をミッションとしており、地域から世界につながって未来を創る「未来創造人を育む全人教育」を行っています。具体的な教育システムは、目標設定型で一つひとつの講義で目標が設定され、知識・技能・態度の3領域について学年ごとに中目標があり、最終的には何が課題であるかを自分で明らかにし、それを解決する力を身につけます。地球規模での環境の悪化・生物多様性の消失の危機が叫ばれる中、人との関わりの中で生物多様性を育む里山・里海を研究し、自然共生社会への道を模索するとともに、それを維持しつつ資源を利用し、ものづくりを含む経済活動や文化活動を活性化することが次の世代に対する本学の義務だと考えています。備後圏域はこのような取り組みに最適の環境であり、里山・里海に根ざす未来のまちのあり方を提示する「瀬戸内モデル」の構築に全学を挙げて取り組み、これを福山大学のブランドとして確立することをめざしています。「未来創造人を育む全人教育」の成果は高い就職率となって表れています。就職率は広島県や全国の大学平均を上回り、ここ数年はほぼ100%です。卒業時の学生による知識・技能・態度の向上についても学生自身による自己評価で明確となっており、本学での学びや体験が知識の修得だけでなく、学生一人ひとりの人間力向上にも役立っています。1.真理の探究と道理の実践  普遍的な真実を探究し、道義を実践する  人を育成する。2.豊かな品性と強い意志の涵養  豊かな教養に基づいた品性を有し、強い  意志を持って行動する人を育成する。3.生命と自然の尊重  生命を尊重し、自然を敬う人を育成する。4.個性の発揮と信頼に基づく人間関係の構築  互いの個性を伸ばしあい、敬愛の念と信頼に  基づいた人間関係を構築できる人を育成する。5.可能性への挑戦  未来を志向し、新たな可能性へ  挑戦しつづける人を育成する。6.地域社会の発展への貢献  社会の幅広い分野で活躍し、豊かな地域  づくりに貢献できる人を育成する。福山大学は、地域社会に広く開かれた大学として、学問にのみ偏重するのではなく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な人格陶冶を目指す全人教育を行う。この建学の精神は、次の三蔵五訓としての教育の理念と一体である。真理を探究し、道理を実践する。豊かな品性を養い、不屈の魂を育てる。生命を尊重し、自然を畏敬する。個性を伸展し、紐帯性を培う。未来を志向し、可能性に挑む。福山大学は、信頼と愛に基づく人間関係を育む〈心情と愛の教育〉、人の生命を尊重し自然を畏敬する〈人間と自然を尊ぶ教育〉、理論と実践とをつなげる〈知行合一の教育〉により、豊かな人間性を基盤に調和のとれた人格陶冶を目指す「全人教育」を教育理念とする。この教育理念を実践するために、次の教育目的を定める。人間関係を作りながら学ぶ目標設定型教育システムとは?研究ブランディング事業「瀬戸内の里山・里海学」を展開している理由「未来創造人を育む全人教育」の成果011建学の精神三蔵五訓教育理念・教育目的

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