2021 福山大学要覧
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発達心理学研究室(赤澤研究室)が取り組んでいる『子ども遊び広場』は、主に3年次のゼミ生が中心になり、月に1度、学校法人福山大学社会連携推進センターの子育てステーションにて地域の子どもたちに遊びを提供する活動です。企画も運営もすべて学生が主体となるこの活動の目的は、子どもの認知能力、運動能力、感性など様々な側面の発達を促す遊びを体験してもらうこと、そして学生自身が保護者とも関わることで子育てについて理解を深めることを主としています。村上さんは、2019年の3年次にメインスタッフとして参加しました。「最初に行ったのは5月だったので、春の花や昆虫を折り紙で作り、室内に隠したその折り紙を子どもたちに探してもらう企画にしました。最初はわからないことばかりでしたが、その都度先輩に教えてもらい、3回目の実施からは少し余裕をもってできるようになりました」と話します。この企画は、子どもの発達に応じた遊びや季節を感じられることがテーマとなっているため、様々な発達段階にある子どもたちが参加できることと季節感をどのように出すかなどが課題になりました。夏は紙で折った魚をプールに並べた魚釣り、秋にはハロウィンなど、学生たちは季節感と遊びの役割を両立させた企画を試行錯誤しています。一方、3年次の草野さんは新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受けて2020年の活動がストップしましたが、状況を鑑みて8月からオンラインで再スタートすることになりました。「前例の無いことなのでメンバーと打ち合わせを重ね、アイデアを出し合いました。飽きないことや身体を動かせることなどを目的にメニューを組み立てました」。そして当日、集まってくれた子どもたちは地元福山だけでなく関東圏からも集まってくれました。身体をほぐす体操から始め、絵本の読み聞かせや折り紙遊びなどを次々と展開し、途中、画面から消えてしまう子どももいましたが「協力してくださった保育士の方にフォローいただき、最後までやり遂げられました。全員で楽しむことの難しさを感じましたが、今後に活かしていきたいです」と話します。およそ1年間、毎月関わることで、子どもたちの成長や同じ年齢でも発達には個人差があるということを目の当たりにし、また保護者への働きかけの大切さも理解できる『子ども遊び広場』。ここで身につけた知識と経験を確かな力に変えて、村上さんは児童指導員として、草野さんは教員として、未来の福山の担い手である子どもの成長に関わっていくと決意を固めています。他にも「サイバー防犯ボランティア」や高校生向け「デートDV予防授業」など学生主体の活動を実施。人間文化学部の学びはP058へ季節感のある体験を毎月子どもたちに提供。その企画づくりに試行錯誤。前例のないオンラインでの実施に挑戦。全員が飽きずに取り組める難しさを知った。子ども遊び広場03子ども向け遊び広場の企画・運営を担当。子どもの発達に応じた遊びを考えることが難しくもありおもしろい。参加はSNSやチラシなどで募集。申し込み制ではないため、想定外の年齢の子どもが来ることもあり、本番での柔軟な対応力も求められる。017

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