総合案内 2022
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27 近年では地震や大型台風など自然災害に対する警戒が高まっています。特に、今後30年以内の発生が予想される南海トラフ地震に対する備えは全国的にも急務とされています。神奈川工科大学のある厚木市は「南海トラフ地震防災対策推進地域」「東海地震の地震防災対策強化地域」に指定された地域。厚木市はこの指定を受け、最新の科学的知見と地域社会のデータをもとに綿密な被害予測と対策を立てています。 2019年に報告された厚木市の調査によると、厚木市内の南海トラフ地震における予測震度は4~5強。神奈川工科大学が所在する下荻野地区は、予測震度および、液状化の危険も市内ではかなり低い地域とされています。この厚木市の調査は、神奈川工科大学が校舎建設時、独自に行った地質調査からも裏付けられています。また、校舎施設は阪神・淡路大震災、東日本大震災後に設置された建物が全体の64.5%。それ以外の建物も2000年に制定された新・新耐震基準に基づいた耐震工事を完了しています。日本経済新聞社「自治体の災害対応力調査」2011年よりLocation厚木市とともに防災に取り組む地域と連携し災害に強いキャンパス地震に強いキャンパス地域の防災拠点として、期待されるキャンパス神奈川工科大学は災害に強いキャンパスです。災害時に安心して避難できる防災拠点として、地域住民に期待されています。津波・洪水の心配が全くない大学の位置は海岸から約20kmあり標高は約60m。最寄りの河川との標高差も約25mあります。地盤が強い約7m下は、礫(レキ)層が地中深く続いており、非常に強固な地盤で、液状化の心配もありません。耐震化率97.3%現時点でも高い耐震化率を実現していますが、100%をめざして対応を継続しています。豊富な災害用備蓄食料約12,000食/水500cc約10,000本(自家発電による飲用井戸水も利用可能)/毛布類約6,000枚/非常用発電機3基/小型発電機10台/移動型大型照明器具2機・LED充電式強力照明20台/救助用機材等防災拠点としての工夫①講義室72室の中で約30室は移動式机・椅子で、床面はクッション性のあるタイルカーペット仕様とし、速やかに避難所として活用できるよう設計。②キャンパス内に、災害時ヘリコプター離発着が可能な、人工芝グラウンド及びスタジアムを所有。③地域の救護拠点のスペース不足時には、ベッド数約40の看護学科実習室を提供可能。④キャンパス中央部に、大型物資輸送用トラック約10台が乗り入れ可能の中央緑地公園を配置。避難所などの感染症拡大防止対策消毒薬および噴霧器の即時利用可能体制を整えています。液状化の心配がない地盤各学科での研究を地域の防災に活かす取り組み 神奈川工科大学は地域住民の指定避難場所であるだけではなく、学科での学びや研究を通して地域の防災活動にも貢献する取り組みをしています。 そのひとつが看護学科です。南海トラフ地震などの大規模災害に備えて「災害看護学」「災害看護活動論」を設置。これらの科目を通してトリアージの手法や災害時の病態の特徴、避難住民および救護者の健康管理などを学ぶことができます。また、情報ネットワーク・コミュニケーション学科 塩川研究室では災害時の円滑な情報収集を可能とするネットワーク技術について研究。情報工学科 田中研究室では、災害時に夜間や悪天候で太陽電池が使用できない場合や、風力発電が使用できない場合に備え、人力発電システムを研究しています。さらに、情報メディア学科上田研究室には厚木市役所職員2名が客員研究員として在籍。市職員が学生たちと一緒に「厚木市の防災無線および避難所の音声聴き取りに関する研究」に取り組んでいます。厚木市の防災対応力海抜63メートル神奈川県第1位全国第6位

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